NHK受信料、年内にも合憲性判断へ 最高裁大法廷で弁論
NHK受信料、年内にも合憲性判断へ 最高裁大法廷で弁論
産経ニュース / 2017年10月25日 22時41分
(産経新聞)
テレビがあるのに受信契約を拒んだ男性に、NHKが受信料を請求できるかが争われた訴訟の上告審弁論が25日、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)で開かれ、結審した。受信料制度の合憲性について最高裁が年内にも初判断を示すとみられ、今後の徴収にも影響を与えそうだ。
放送法64条1項は「受信設備を設置した者は、NHKと受信についての契約をしなければならない」と規定。(1)規定は合憲かどうか(2)テレビ設置者が契約を拒んだ場合にどの時点で受信契約が成立するか(3)契約が成立した場合に受信料をいつまで遡(さかのぼ)って支払う義務があるか-などが争われている。
弁論で男性側は、放送法の規定は「契約締結への努力義務を定めたにすぎない」と指摘。契約義務を規定しているとすれば、契約の自由などを保障した憲法に違反するとしている。
NHK側は、不偏不党の立場から多角的視点で放送を行う公共放送としての役割などを踏まえれば「受信料制度が憲法に違反しないことは明らか」と主張。NHKが契約を申し込んだ時点で契約が成立するとした。訴訟では、法相が受信料制度を「合憲」とする意見書を提出している。
男性は平成18年にテレビを設置。NHKが申込書を送ったが契約しなかった。1審東京地裁は、申込書を送っただけでは契約は成立しないが放送法は契約を義務づけているとして、男性にNHKとの契約と受信料約20万円の支払いを命じ、2審東京高裁も支持した。