「世界に通じる番組を」 NHK稲葉新会長が就任
「世界に通じる番組を」 NHK稲葉新会長が就任
NHK会長に25日付で就任した稲葉延雄氏(72)が同日記者会見し、「志の高い仕事に関わっていけることを、大変名誉に感じている。NHKの発展に力を尽くしていきたい」と抱負を語った。稲葉氏は元日本銀行理事でリコー取締役会議長などを務め、経済界からの会長起用は6人連続となる。任期は3年間。 24日付で退任した前田晃伸前会長(78)は、過去最大幅の受信料値下げや訪問営業の見直しなどの改革を進め、業務のスリム化などを実現した。稲葉氏は「改革の継承と発展」を自分の役割と表明する一方で、「かなり大胆な改革なので、若干のほころびやマイナス面は生じている部分はあるかもしれない」と指摘。「コンテンツの質や量が落ちることはあってはならない。経営改革の本丸として取り組んでいきたい」と語った。 その上で、「報道面では、しっかりと取材し、真摯(しんし)な態度で確かな情報をお届けしたい。エンターテインメントでも、世界に通じる質の高い番組をこころがけたい」と述べた。 NHKは見逃し配信などインターネット業務を段階的に拡大してきたが、現状では「本来業務」ではなく放送の補完の「任意業務」とされている。これについて稲葉氏は「放送と通信の融合は進んでいる。現在の放送法は、社会の現状とずれていることがあるかもしれない」との認識を示し、総務省の有識者会議での議論を注視すると語った。