「紅白」K-POP枠拡大を数字から検証
「紅白」K-POP枠拡大を数字から検証 TWICE、LE SSERAFIMのステージは再生数3位と4位
1、2位のSEKAI NO OWARIとウタのステージを“K-POP勢”が応
大みそか恒例の「第73回NHK紅白歌合戦」が12月31日、東京・渋谷のNHKホールで行われた。11月16日に出場歌手が発表された際は、「知らない歌手ばかり」「横文字が多い」などの声が上がり、ツイッターで「#紅白見ない」のハッシュタグがトレンド入りするほどだった。とくにK-POPグループは3年ぶり4度目の出場となったTWICE、初出場のLE SSERAFIM(ル セラフィム)とIVE(アイヴ)、さらに韓国の大手芸能事務所JYP所属のNiziU、日本の吉本興業と韓国のCJ ENMによる合弁会社所属のJO1を加えると5組に上った。K-POP勢に限らず今回初出場となったウタ(大ヒット劇場版アニメ『ONE PIECE FILM RED』のオリジナルキャラクターでAdoが歌唱パートを担当)、Aimer、緑黄色社会、Saucy Dog、なにわ男子、Vaundy、BE:FIRSTは中高年世代にとってはなじみの薄い存在とも指摘されていた。 【写真】「これは貴重」「まってやばい可愛すぎる」と驚き 宮脇咲良が公開した実際の幼少期ショット しかし、実際のところはどうだったのか。放送から1夜明けた1日、NHKのYouTube公式チャンネル『NHK MUSIC』の『紅白ハイライト』を検証してみた。そこにはトップバッターを務めたSixTONESから大トリを飾った福山雅治まで出場歌手別に全54本(各1分前後)の動画がアップされている。それぞれの再生回数を見ていくと、“なじみの薄い”はずの出場者がかなりの再生回数を上げていることが分かった。とくに、一部視聴者の反発を買ったK-POP勢が抜群の成績を残している。 順に見ていこう。1位はSEKAI NO OWARI『Habit』の52万回、2位は後半戦のトップバッター・ウタ『新時代』の48万回。3位に入ったのはTWICEの日本デビュー5周年記念曲『Celebrate』の43万回、そして4位となっているのが初出場のLE SSERAFIM『FEARLESS- Japanese ver.-』の41万回。同じく初出場となったIVEの日本デビュー曲『ELEVEN -Japanese ver.-』は16万回だが、NiziU『CLAP CLAP』の18万回、JO1『無限大』の14万回とほぼ並ぶ成績となっている。今回の紅白の目玉となった特別企画の氷川きよし『限界突破×サバイバー』は14万回、桑田佳祐 feat. 佐野元春, 世良公則, Char, 野口五郎『時代遅れのRock’n’Roll Band』は13万回となっており、数字だけ見ればまったく遜色のない成績だ(再生回数はいずれも1日午後3時基準)。 ちなみに、1位のSEKAI NO OWARI『Habit』のステージではボーカルのFukaseをはじめ、SixTONES、NiziU、JO1、乃木坂46、郷ひろみ、司会の大泉洋と橋本環奈、スペシャルナビゲーターの櫻井翔も一緒に“クセ強ダンス”を踊る豪華共演が見どころとなった。2位のウタ『新時代』のステージもLE SSERAFIM、乃木坂46、BE:FIRST、JO1がステージに登場し盛り上げた。会場と一体となったお祭り騒ぎのようなステージにグローバルな人気を誇るK-POP勢グループのメンバーを参加させていたのは明らかにNHKの意図的な演出だろう。 3位のTWICE、4位のLE SSERAFIMのステージはそれぞれ他グループからのゲスト応援などは入らず固定メンバーだけでステージをやり切った。それでいて再生回数ランキングの3位と4位にランクインしているのは驚くべき結果というほかない。もちろん、同局のYouTubeチャンネル『紅白ハイライト』の再生回数だけで人気を推し量ることはできないし、年齢、性別、地域などユーザーの属性分析も必要だろうが、少なくとも今回の紅白に出場したK-POP(系)グループの紅白ステージ動画が注目され、NHKのYouTube再生回数を押し上げている事実は否定できないだろう。こうしている間にもLE SSERAFIMの紅白動画の再生回数は伸び続けている。以上のような結果を見ると、今回のNHK紅白がK-POP枠を増やしたのは、時代の大勢を読んだ的確な判断だったと言えそうだ。 K-POPガールズグループでは第4世代の台頭が著しい。今回の成功体験をもとに次回の紅白には韓国・SMエンターテインメント所属の4人組aespa(エスパ)、BTSが所属するHYBE傘下ADORの5人組NewJeans(ニュージーンズ)らの紅白初出場が現実のものとなるかもしれない。
ENCOUNT編集部