NHK会長、地上波は値下げ対象にせず 「衛星契約の割高感解消が先」
NHK会長、地上波は値下げ対象にせず 「衛星契約の割高感解消が先」
2/4(木) 19:37配信4166
NHK放送センター=東京都渋谷区で
NHKの前田晃伸会長は4日の定例記者会見で、2023年度の衛星契約の1割値下げに関連し、「衛星契約は割高感があり、地上契約との格差をまず解消するのが先だ」と述べ、地上契約の値下げは現時点で行うつもりはないと明らかにした。 【図解】NHKの受信料収入と支払率の推移 23年度の衛星波削減に合わせた衛星受信料の1割値下げは、NHKの正籬(まさがき)聡・放送総局長(副会長)が1月の会見で表明していた。 前田会長は4日の会見で、衛星契約の値下げについて「一過性ではなく、恒常的にと考えている」と明確にした。その上で、値下げの金額については、コロナ禍による収入面の影響などを見極めながら、22年度が終わった頃に検討する考えを改めて示した。現在の受信料(口座振替・クレジットカード払い)は、地上契約が月額1225円なのに対し、衛星放送も見られる衛星契約は同2170円。NHKの19年度末の衛星契約率は、地上契約なども含めた全体の52・7%に当たる2223万件で、23年度の衛星受信料値下げも全契約の約半数が対象になりそうだ。 また、前田会長は人事制度改革について、50~56歳の職員に早期退職を募集し、管理職を約3割減らすことなどを認めた。その上で「NHKの人事制度が非常に古くなっており、職員のキャリアパスを縦型から複線型にし、能力を発揮してもらう」と狙いを話した。「(人員)削減のためではない」と強調し、早期退職者の数値目標は設けないとした。【犬飼直幸】