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4Kテレビ、販売台数の半数超に でもコンテンツ不足

4Kテレビ、販売台数の半数超に でもコンテンツ不足

6/26(水) 10:12配信

NIKKEI STYLE

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タレントの深田恭子さんを宣伝に起用して普及につとめるも4K/8K放送の視聴は進んでいない

もうあなたの家では、4Kテレビで、4Kコンテンツを楽しんでいるだろうか。調査会社BCNの調べによると、2019年5月における薄型テレビの販売実績のうち、4K以上のテレビの構成比が初めて50%を突破して、52.1%となった。もはや、テレビを購入するときに、過半数の人が、4Kテレビを選択する時代が訪れたことになる。

その背景には、4Kテレビの価格下落が大きい。

BCNによると、2019年5月の4K以上のテレビの平均単価は11万7400円となり、2018年5月の12万7900円から、わずか1年で1万500円も下落している。実際、チューナーを搭載していない4Kテレビであれば、50型の大型サイズでも、10万円以下で購入できるようになっている。

新チューナー内蔵テレビと外付け新チューナーはJEITA発表出荷台数、新チューナー内蔵STBはJCTAヒアリングによる設置台数。千台未満四捨五入などにより、累計や合計は表記数字の計と一致しないことがある■4Kコンテンツの利用は低調

だが、4Kのコンテンツを楽しんでいる人の比率は、残念ながらまだ低いといわざるを得ない。

NetflixやAmazonプライムビデオ、U-NEXT、dTVといった動画配信サービスのほか、YouTubeでも4K動画が増えているが、フルHDの映像に比べると、そのコンテンツ数はまだ少ない。

そして、2018年12月1日にスタートした新4K8K衛星放送も、視聴比率は、まだ低いままであり、自宅には4Kテレビがあっても、4K放送を視聴している人は、まだまだ少数派であるのが実態だ。

多くの人が、フルHD画像をそのまま視聴していたり、フルHDの画像を4K相当の画像に変換(アップコンバート)して楽しんでいるという状況にある。

では、4Kは実際どれぐらいの人が利用しているのだろうか。

4000万世帯を対象に視聴が可能になる新4K8K衛星放送を例に見てみると、かなりの少数派であることがわかる。

一般社団法人放送サービス高度化推進協会(A-PAB)が発表した2019年4月末時点での新4K8K衛星放送の視聴可能機器台数は95万台にとどまっている。95万台の内訳は、新4K8K衛星放送が視聴可能なチューナーを内蔵したテレビが49万3000台、チューナーを搭載していない4Kテレビに、新4K8K衛星放送を視聴するために接続する外付けチューナーが20万2000台。そして、ケーブルテレビで視聴するために接続するチューナー内蔵セットトップボックスが25万5000台だ。現時点では集計対象となっていない新チューナー内蔵録画機を加えても、合計で100万台を超えるくらいだろう。

■消費者の4K/8K放送への関心は低い

政府では、2020年の東京オリンピック/パラリンピックの開催時に50%以上の世帯で、4K/8K放送を視聴できるようにすることを目標としている。だが、現状を見れば、新4K8K衛星放送を視聴できる世帯はわずか2%にとどまっており、政府目標とは大きな乖離(かいり)がある。

チューナーを内蔵していない4Kテレビは、国内で約640万台が販売されているとみられるが、外付けチューナーの販売実績が約20万台、セットトップボックスが約25万台。これにチューナー内蔵の録画機をあわせても、4Kテレビ所有者の約8%しか、新4K8K衛星放送を視聴していないことになる。

しかも、同協会が今年4月に発表した調査によると、4K/8Kテレビの非所有者のうち、4K/8Kテレビを購入する予定であるとの回答者は2.1%、いずれ購入する予定であるとの回答も28.0%にしかすぎない。4Kテレビの購入者が過半数になったといっても、最初から4Kテレビにしようと思って買いに行く人は少なそうだ。

また、新4K8K衛星放送を視聴したことがある人は、所有者による自宅での視聴や、量販店店頭での視聴を含めてわずか5.3%と、国民の関心が低いことが浮き彫りになった。

A-PABの福田俊男理事長は、「2019年1月の時点では、上々の滑り出し、あるいはまずまずの滑り出しとしていたが、それ以降、受信可能機器の販売台数が足踏み状態となり、少し気をもんでいる」とし、「番組の充実や魅力の向上、機器のラインアップ強化によって、視聴者の選択肢が広がる。4K/8K放送の素晴らしさを、より多くの人に訴求する必要がある」と危機感を募らせる。■コンテンツの充実が望まれる

4K普及のカギを握るのは、やはりコンテンツだといっていいだろう。

新4K8K衛星放送でも、実はすべての時間帯で4Kや8Kの放送を流しているわけではない。

ピュア4K放送は、民放4局合計で、全放送時間に対して、2桁の構成比に達したところだ。ゴールデンタイムに限定すると、5割以上をピュア4Kコンテンツとしている放送局が2局あるという。

このように、4Kコンテンツ自体、まだまだ少ないのが実態である。

キラーコンテンツになるとの期待が集まっているのが、2019年9月20日~11月2日までの期間で開催されるラグビーワールドカップ2019日本大会である。NHKが、開幕戦の日本対ロシアをはじめ、6試合を4Kで放送。決勝戦など3試合を8Kで放送することを決定。J SPORTSでは、全48試合を、4Kによる生中継を行い、スカパー!などで配信。さらに、BS日テレも、ラグビーワールドカップにあわせて、当初予定の2019年12月の放送開始時期を、2019年9月に前倒しすることが発表されている。

日本が勝ち上がっていけば、新4K8K衛星放送の広がりにもつながると関係者は期待しているところだ。消費増税前の駆け込み需要とあわせて、普及を狙っている。そして、これがうまくいけば、2020年の東京オリンピック/パラリンピックでの4K普及につながるともくろんでいる。

また、2020年12月には、WOWOWが新4K8K衛星放送を開始し、11局から19チャンネルが放送されることになり、これに伴いコンテンツの充実が図られることになる。

ただ、現時点では、「録画したいと思う番組が少ない」という声もあがっており、コンテンツの魅力を発揮できていない反省が業界内にはある。

さらに、地デジやブルーレイのフルHDの映像も、4K相当の画質で視聴できる4Kアップコンバート機能を、テレビメーカー各社が訴求していることも、4Kコンテンツの普及の足かせになっているとの指摘もある。

動画配信サービスや衛星放送の4Kコンテンツを、量、質ともに充実させることができるかが、4K視聴の普及の鍵になる。


(ライター 大河原克行)

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